2018年12月8日土曜日

音楽を人に伝える。

例えばがくにフォルテと書かれてあると、音を強く、クレッシェンドだと段々と強く、ですが、こと音楽の現場、例えば作曲をした物を奏者に伝える時、そこはフォルテで!なんて言ってもそれは音量の数値が上がるだけで、その説明では少々お粗末の様な気がします。

先日テレビで、佐渡裕さんが念願のベルリンフィルで指揮をする、そのリハーサル風景が写っていた。佐渡さんは、はじめに音楽や表情を表面的に整えようと、それこそ楽譜書かれている情報の確認をしている様に映った。

案の定楽団のメンバーは好評化ながら、「これでは、楽譜の確認でリハーサルが終わってしまう」と言う人もいた。
勿論佐渡さんもそれをよくわかっておられ、次の日のリハーサルでは、音楽的な説明に対し、例えばですが。そこは、「突然暗い森の中に迷い込んだ様な不安な感じで!」みたいな表現をした時に、楽団の彼を見る表情がガラッと変わった。彼の感じている音楽をみんなで体験しよう!と言う様な雰囲気になった。

思うに、作曲家や、音楽の先生、指揮者などと言う人は楽譜に書かれている情報をいかに文学的に表現できるか、が非常に大事であるのではないか、と思います。

そこのピアニッシモを「降り積もった雪の上にそろっと足を踏み入れるように!」と言うと、しっかりとイメージが伝わると同時に、奏者のモチベーションも格段に上がるとおもいます。


正に一石二鳥。